窓辺をのぞいて、廊下を通って、ソファの裏を確認して、また戻ってくる。用があるようには見えないのに、毎日ほとんど同じ道を歩いている。「いったい何をパトロールしているんだろう」と思ったことはありませんか。あの往復は、猫にとっては大事な時間です。この記事では、猫が毎日同じ道を見回る理由と、その順路のいちばん最後に何があるのかをまとめました。
猫は毎日、家がゆうべと同じかを確かめている
見回りといっても、警備ではありません。誰かを追い払うために歩いているのではなく、いつもの場所がいつもどおりかを見にいっています。
外で暮らす猫を600時間以上追いかけた研究でも、猫は縄張りを守り抜くというより、自分の歩く範囲をまわって、自分のにおいを付け直していました。守るより、見回って、においを付け直す。研究は、猫の見回りをそういうものだと考えています。
家の中で暮らす猫には、その範囲が家になります。寝床、ごはんと水の場所、トイレ、高いところ。猫はこうした場所のあるあたりに自分のにおいを付けて、安心していられる範囲にしています。大事な場所はもう決まっていて、そこを順番に見ていく。だから道が毎日同じになります。
通り道には、その子の印が置いてある
同じ研究に、こんな結果があります。猫が爪をとぐ木は、縄張りの端ではなく、よく通る道沿いに集まっていました。境目に立てる看板ではなく、通り道に置いた目印です。
においを付ける方法は、爪とぎだけではありません。顔や体をこすりつける、あれもそうです。額、あご、口のまわり、しっぽのつけ根、そして肉球。このあたりからにおいが出ていて、こすりつけるたびに、その子のにおいが少しずつ残ります。
家を見回してみてください。ソファの角。ドアの枠。柱の、いつも同じ高さのところ。テーブルの脚。その子が毎日こすっている場所が、たぶんいくつかあります。こちらには何もない廊下が、その子にとっては自分の印が並んだ道です。歩きながら、その印を置き直している。だから同じ道を通ります。
家が変わると、猫はもう一度確かめ直す
模様替えをした日。荷物が届いた日。誰かが来た日。猫は、見慣れない物や知らないにおいに敏感な動物です。新しい家具のまわりや、お客さんが座った場所を気にしている様子が見られるかもしれません。
変わってしまった分を、においで作り直しています。届いたばかりの棚には、まだその子のにおいがありません。お客さんのにおいは、いつもの道の上に残ります。だからもう一度まわって、上から自分の印を置いていく。しばらくすると落ち着いて寝てしまうのは、作り直しが済んだからかもしれません。
ひとつだけ、この見回りとは分けて見たいことがあります。いつもと違う歩き方や落ち着かない様子が続く時は、体の側に理由があることもあります。
見回りの順路に、飼い主も入っている
そして、こすりつけられているのは家具だけではありません。
足元に来て、顔をすりつけたり、体を沿わせて歩いていったりする。家具には、しっぽや体の横をこすりつけることが多いのに対して、人や知っている仲間には顔をこすりつけてにおいを付けます。自分と同じ仲間だという印をつけているのだと考えられています。家具の印とは少し違う、仲間どうしのにおいのやりとりです。
その子の順路には、飼い主が入っています。窓辺を見て、廊下を通って、ソファの裏を確認して、最後に足元へ来る。気まぐれに寄ってきたのではありません。まだ点検の途中で、いちばん最後があなたなのです。
まとめ
- 見回りは警備ではなく、確かめる時間。家が昨日と同じかを見にいっている
- 研究でも、猫は守るより「においを付け直して」いた
- 爪とぎは境目ではなく通り道に集まる。ソファの角やドア枠は、その子の印の場所
- 家が変わると、においを付け直す。安心できる場所に作り直している
- 順路には飼い主も入っている。足元ですりすりするのは、同じ仲間だという印と考えられている
今夜も、その子は同じ道を歩くはずです。窓辺、廊下、ソファの裏。そして最後に、足元へ来ます。世界が昨日と同じだったと確かめ終えて、いちばん最後に確かめに来たのが、あなたでした。
TOMORU|犬猫と暮らす毎日のために、ケアを考えています。
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