くつろいでいると猫がしっぽを立てて寄ってきて、指に鼻を近づけ、そのまま顔をこすりつけていく。よく目にする光景ですよね。じつはこれ、猫同士が交わしているあいさつを、そのまま人に向けたものです。この記事では、猫からのあいさつの見分け方と、人からの返し方をまとめました。今日から試せるものばかりです。
しっぽを真上に立てて近づくのが、猫のあいさつの始まり
あいさつの始まりは、しっぽに出ます。真上にぴんと立てて近づいてくる——これが「仲よくしたい」という友好の合図とされています。猫同士が出会った時にも同じことをしますし、人に対しても同じ形で使われます。
しっぽが下がったまま通り過ぎていく時や、体を低くしている時は、そのつもりがない時です。同じ「近づいてくる」でも、しっぽを見れば区別がつきます。家の猫の場合は、ごはんの前に立てて来ることもありますが、それでも、その子から声をかけてきたことに変わりはありません。
しっぽが立っていたら、その子から話しかけてきた合図です。ここから先は、こちらも返せます。
鼻を近づけてくる時は、指を1本だけ出して待つ
近づいてきた猫は、たいてい顔のあたりに鼻を寄せてきます。猫同士は鼻と鼻を突き合わせて、相手のにおいを確かめ合います。人には突き合わせる鼻がないので、差し出した指先がその代わりになります。
人差し指を1本、猫の鼻の高さに出して、そのまま動かさずにいてください。座るかしゃがんで、正面から。こちらから指を近づけに行かず、猫のほうが鼻を寄せてくるのを待ちます。後で紹介するまばたきの研究では、実験者は猫の正面に座るかしゃがみ、手のひらを上に向けて差し出していました。指1本ではなく手のひらですが、正面の低い位置から差し出す点は同じです。
気をつけたいのは、上から手を伸ばすことです。猫の頭より高いところから降りてくる手は、あいさつとは別のものに見えます。いきなり顔を近づけるのも、猫にとっては急な距離の詰め方です。低い位置から、動かさずに待つほうが、ずっと受け取られやすくなります。
目を細めるのは、人からも返せる合図
あいさつの中でいちばん返しやすいのが、目です。猫が目を細めたり、半分閉じたりするのは、前向きな気持ちの表れではないかと考えられています。
これを人からも送れることが、実験で確かめられています。飼い主がゆっくりまばたきを送ったところ、猫の側も目を細める動きが増えました。さらに、猫と初対面の相手が同じことをした実験では、ゆっくりまばたきをした後のほうが、無表情でいた時よりも猫が近づいてきました。
送り方は簡単です。
- 猫と目が合ってから始める(合っていない時は名前を呼ぶ)
- ゆっくり目を閉じて、少しおいてから開く。これを何度か送る
- 1分ほど続ける。研究では1分あたり十数回のペース
- そのあと、正面の低い位置に手を差し出して待つ
目を見開いたままじっと見つめるのは、猫には脅しのように受け取られることがあるようです。研究でも、前もって試した段階でそれが分かったため、比べるための条件では、顔の向きは変えずに視線だけ少し横へ外していました。
すりすりは受けるだけでいい
顔をこすりつけてくるのは、あいさつの続きです。猫のほおや口のまわり、目と耳の間には自分のにおいを出す場所があり、こすりつけることでそのにおいを相手に付けています。猫同士はこれをやり合って、においを混ぜ合わせ、仲間だと確かめています。足にこすりつけてくるのも、同じことを人にしているわけです。
こちらは受けるだけで足ります。こすってきた側に手をそっと添えるくらいはいいのですが、抱き上げたり、離れていく猫を追いかけたりはしないでおきます。あいさつはその子が始めて、その子が終えるものなので、こちらから足すと別のものになってしまいます。
まとめ
猫からのあいさつは、4つの場面で返せます。
- しっぽを真上に立てて近づいてきたら、会話が始まった合図
- 鼻を寄せてきたら、指を1本、鼻の高さに出して待つ。上から手を出さない
- 目が合ったら、ゆっくりまばたきを送る。見開いたまま見つめない
- こすりつけてきたら、受けるだけ。抱き上げない、追いかけない
今日、その子がしっぽを立てて近づいてきたら、指を1本出して、ゆっくり一度まばたきをしてみてください。細めた目が返ってきたら、それはもう、こちらの言葉が届いたということです。
TOMORU|犬猫と暮らす毎日のために、ケアを考えています。
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