暑い日、愛猫が床にのびたまま動かない。「涼んでいるだけかな」と思いつつ、なんとなく気になる——夏はそんな場面が増えます。この記事では、ぐったりが「休んでいるだけ」か「あぶない」かの見分け方、すぐ動物病院へ向かうべきサイン、留守番中の部屋の作り方までをまとめました。
亡くなる割合が高かったのは、警報の出ていない時期
イギリスの救急動物病院の2年分の記録を調べた研究(2026年・英国小動物獣医協会で発表)に、気になる数字があります。暑さによる不調で運ばれた猫のうち、亡くなった割合は全体で13%ほど。ただし内訳を見ると、暑さの警報が出ていた時期は約4%だったのに対し、警報が出ていなかった時期は約27%でした。
件数そのものは、6割が警報の出ている時期でした。いちばん気をつけたいのは、やはり猛暑の日です。ただ、警報が出ていない日は、こちらの備えも手薄になりがちです。そういう日に不調になった猫ほど、亡くなる割合が高く出ていました。
もうひとつ。同じ研究では、24か月のうち22か月で症例が出ています。真夏だけの話ではありません。
「休んでいる」と「あぶない」の見分け方
猫は暑いと、涼しい場所を探して体を伸ばし、動かなくなります。これ自体は普通のことです。見分けたいのは、それ以外のサインが重なっていないかどうかです。
- 呼吸が速い、口を開けてハアハアしている
- 歯ぐきが真っ赤、または白っぽい
- ふらつく、倒れる
- ぼんやりしている、力が入らない
- 吐く、下痢をする
ただ涼んでいるだけの猫は、名前を呼べば耳を動かしますし、水を飲みに立ち上がります。反応が返ってこない、立ち上がろうとしてふらつく——このあたりから、様子見の段階ではなくなります。
猫が暑さに弱いのは、体の作りにも理由があります。猫は汗をかく力がとても限られていて、体をなめたり日陰を探したりして体温を下げています。部屋の暑さが、そのまま体に効いてしまうわけです。
とくに気をつけたいのが子猫です。先ほどの研究では、生後6か月未満の猫のリスクがほかより高く出ていました。心臓や呼吸器、神経などに何らかの持病がある猫が、症例の3割近くを占めていました。
口を開けて呼吸していたら、すぐ動物病院へ
犬は暑いとき、ハッハッと口で呼吸して体温を下げます。猫の場合は、口を開けて呼吸していたり、ハアハアしていたりしたら、すぐに動物病院へ、とされています。
向かうまでの間にできることは、体を冷やすことです。涼しい部屋か日陰に移し、水道の水を体にゆっくりかけます。水が鼻や口に入らないように気をつけてください。冷たく濡らしたタオルの上に寝かせるのもよい方法です。上からかぶせると熱がこもるので、かぶせないでください。飲めるようなら水を少しずつ飲ませますが、無理には飲ませません。
そして、落ち着いたように見えても受診してください。熱中症は体の中に影響が残ることがあり、見た目が戻っても内臓に負担がかかっている場合があります。
外の暑さより、部屋の中の状況
先ほどの研究で、きっかけとして多かったのは次の3つでした。高い外気温が約34%、暑くなった建物が約30%、そして家電のそばなどに閉じ込められたケースが約18%。5件に1件が閉じ込めです。
猫は狭いところ、暖かいところに入り込みます。洗濯機や乾燥機のそば、押し入れ、閉め切った部屋、日の差す出窓。人がいれば「そこは暑いよ」と出してあげられますが、留守番中はそうもいきません。出かける前に、猫がどこにいるか見てから家を出るだけでも違います。
留守番中のエアコンと、部屋の作り方
留守番の間も、エアコンで部屋が暑くならないようにしておくことが第一です。暑い部屋や風通しの悪い場所に猫を残さないことは、英国の獣医療チャリティも予防の最初に挙げています。
留守番のときに気をつけたいのは次の2つです。
- タイマーで切れる設定にしない:切れたあとの部屋は、閉め切っているぶん外より暑くなることがあります
- 風通しの悪い部屋に残さない:エアコンが止まっても、行き来できる部屋があれば逃げ場になります
あわせて、日陰と水に、いつでも行けるようにしておきます。
涼しいはずの部屋から、猫が出ていくとき
エアコンをつけたとたん、猫がすっと部屋を出ていく。よくある光景です。これは「涼しさが要らない」という意味ではありません。
猫が体温の調節に力を使わずにいられる温度は、30〜38℃ほどとされています。人が「ちょうどいい」と感じる室温は、猫には少し寒いこともあるわけです。
とはいえ、猫の好きにさせて暑い部屋へ行かせるのは危険です。おすすめは、逃げ場を両方作っておくことです。よく冷えた場所と、少し暖かい場所。その2つがあれば、猫が自分でちょうどいいところを選びやすくなります。
まとめ
夏のぐったりは、たいてい「涼んでいるだけ」です。ただ、次のサインが重なったときは別に考えてください。
- 口を開けて呼吸している:すぐ動物病院へ
- ふらつく・反応が鈍い・吐く:様子見をしない
- 冷やし方:涼しい所へ移し、水道の水をゆっくりかける。濡れタオルは下に敷き、かぶせない
- 留守番:タイマーで切らない、風通しの悪い部屋に残さない、出かける前にどこにいるか見る
暑さの不調は、体温が高いままの時間が長いほど危なくなるとされています。そして、警報の出ていない日でも油断はできません。「いつもとちょっと違うかも」で動いて、結果的に何ともなければそれがいちばんです。迷ったら動物病院に電話して、様子を伝えてみてください。
TOMORU|今の健康維持に、エイジングケアを。
犬猫と暮らす毎日のために、ケアを考えています。
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